東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2018/1/6
アバウト 東京地裁開廷情報
 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 ここ数ヶ月前からだと思いますが、ZAITENという月刊誌に、「アバウト 東京地裁開廷情報」という記事が掲載されています。
 弁論期日ごとに、原告と被告の名前、事件番号といった情報が、ずらっと掲載されている記事です。

 ただ、記事のタイトルのとおり、アバウトな情報だとは思います。私自身が東京地裁に出頭した事件の弁論期日は掲載されていませんでしたし、ZAITEN編集部は、司法記者クラブには所属していないはずなので、情報を得るルートも限られているためです。しかし、拝見していると、かなり興味深いものです。

 この記事の事件一覧から理解できるのは、まず、東京電力ホールディングスを被告とする、損害賠償請求事件が目立つということです。原発事故の損害賠償請求訴訟です。消滅時効は特例法で10年に延長されている上、原子力損害賠償紛争解決センターの和解仲介という紛争解決手段があっても、提訴されているのですから、原発事故による影響を改めて考えさせられました。また、名誉毀損訴訟や発信者情報開示事件など、訴訟でないと解決しない事件も多く見られました。

 その他、海外機関投資家の東芝に対する損害賠償請求訴訟もあります。東芝のホームページにもリリースされている原告です。
 そして、地位確認訴訟も目立ちますが、被告が企業だけでなく、宗教法人のケースも少なからずありました。
 さらに、同じ原告名(個人)が複数の大企業を訴えている訴訟もありましたし、大企業間の訴訟も結構あるものだと改めて認識しました。

 民事訴訟事件数の減少はよく指摘され、現に過払金返還訴訟は激減していますが、かかる東京地裁開廷情報に触れ、まだまだ訴訟事件はあるものだと理解した次第です。

 司法研修所を卒業した裁判官(判事補)に対し、来週あたりに辞令が交付されると思いますが、辞令を交付された昨年の判事補は78名で、80名を割ったところ、今年は、60人台というニュースを見た記憶があります。多い時の約半数です。司法サービスの提供として、やや心許ない気がします。
RSSアイコンRSSフィードを購読