東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

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2017/10/24
映画「ドリーム」を拝見いたしました
 9月末から公開されている映画「ドリーム」は、評判どおり、実にすばらしい映画でした。
  
 1961年を舞台とし、ロシアとの宇宙開発競争野中で、天才的な数学者であるアメリカ人黒人女性たちが、差別的な扱いに苦しみながらも、NASAで大活躍する実話ベースの映画です。当時は、トイレが白人用と有色人用で分けられ、主人公のキャサリンは、勤務場所から800メートルも離れた有色人専用のトイレしか使わせてもらえず、毎日、歩いて(映画では、記録を持ってハイヒールを履いて小走りで)、トイレまで通わなければなりませんでした。白人の同僚の目も冷たく、同じポットのコーヒーを飲むことさえ、禁じられていました。
 同僚の黒人女性(メリー)も、エンジニアの養成プログラムを受講するのは、白人専用の学校の講座を受けなければならないという社内ルールにより、裁判所にて、白人専用の学校への入学を求めます。
 また、キャサリンとメリーの上司的立場のドロシーも、管理職の仕事をしながら、有色人であることを理由に、管理職への昇進を認めてもらえません。

 彼女たちがすばらしいのは、差別に苦しみながらも、仕事を放棄せず、家族に支えられながら、見事に結果を出して、周囲の理解を得ていったことです。とりわけ、キャサリンの直接の上司は、彼女を理解しようとしないものの、その上の上司の本部長は、キャサリンの天才的な能力を認め、差別をなくすべく自ら動き、キャサリンの直接の上司にも、「お前の役割は、天才が働きやすくすることだ」と諭します。その度量の大きさを感じました。

 そして、この映画のもう1つの注目は、IBMのコンピューターが使われていることです。コンピューターは、計算係である彼女たちの仕事を奪いそうになりますが、彼女たちが、その天才的な才能を活かして、プログラマーとして活躍し、また、コンピューターだけでは解決はできない、人間の手作業による作業の大切さも周囲に認識させていくのです。IBMのホームページにも、この映画のことが取り上げられています。

 彼女たちの実際の写真や動画も、ネットで見ることができます。ネットで拝見した彼女たちの姿は、謙虚で、たいへん好感を持ちました。
 
 前向きに、自分を信じて自分を磨き続け、誰にも負けない努力と能力を備えることの大切さ、そして、度量の大きい上司の存在が、周囲を変え、組織全体を変えていくことを、改めて認識しました。
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