東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2017/11/18
カスタマー・ドリブン・マーケティングとAI
 先週、カスタマー・ドリブン・マーケティングとAIのセミナーに参加いたしました。マーケティングのイロハが分かっていない私にとっては、非常に興味深いものでした。

 マーケティングとは、顧客の問題を発見し、解決していくことであること、顧客自体も問題に気付いていないこと、そして、会社の全部門がマーケティングの意識を持ち、従業員もマーケティングの対象であって、従業員や顧客の心理や行動パターンを認知すること、リアルな店舗やSNS等など、顧客とブランド・企業との接点の違いを踏まえ、カスタマージャーニー(特に認知)を意識することが重要という、スピーカーのお話は、我々弁護士にも必要な視点であるとうかがっておりました。

 ただ、このセミナーのポイントのもう1つは、マーケティングのお手伝いには、AI技術が最適であるという点でした。AIは、処理スピードが早く(人間なら3ヶ月かかる分析をAIなら1日でできる)、さらに、人間が気付いていない、人間の思考より、はるかに深くて広い選択肢を提供できるという点でした。そして、今は、専門家の行動をAIに認識させると、専門家が無意識に行っている行動や選択を、AIが分析して、理由を示し、さらに思考を深めることができる技術ができているそうで、2,3年後には実用化されるであろうということでした。

 これは、弁護士に関していえば、各分野のトッププレーヤーの弁護士の行動、言動をAIに記憶させ、分析させてしまえば、弁護士が提示するであろう複数の選択肢を瞬時にAIが提示できるということですから、会社がAIが示した選択肢の中から意思決定をすればよく、弁護士は、取締役の意思決定が善管注意義務違反にならないか意見を述べればよいだけです。増員された現在の弁護士の人数はいりません。

 このセミナーは、私に、「弁護士業は斜陽産業だからアーリーリタイアがしたい」と言っていた夫の判断は正しかったと感じさせるものでした(笑)。当時の私は、30代の髪結いの亭主は許さないと言い、夫のアーリーリタイアに反対しました。友人にも話をしたら、私と皆同じ意見でした(笑)。

 ただ、弁護士としてできることは、他にもあると思いました。弁護士は、いろんな紛争を代理人として経験しておりますから、その経験と知見を活かし、専門家としてだけではなく、もっと幅広いメンターとしての役割も果たすことができるのではないかと思っております。今後も、いろんな方のお話を幅広くうかがい、努力を続けたいと思います。
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