東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

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2017/10/17
京都国立博物館 国宝展を拝見いたしました
 10月の連休を利用して、10月3日からスタートしている京都国立博物館の国宝展を拝見いたしました。
 教科書やレプリカしか見たことのない数多くの国宝が陳列され、さすが、国宝だけあって、非常に綺麗な形で残っておりました。
 火焔土器や縄文のビーナス、雪舟の山水図などの作品の前には、ひときわ、人だかりも多く、迫力が違いました。

 私が最も好きな国宝は、長谷川等伯の松林図屏風と、その子で26歳の若さで急逝した長谷川久蔵の桜図壁貼付です。前者は幽玄、後者は絢爛でいずれも素晴らしい作品です。

 30歳を過ぎて妻子を連れて京都に出て、千利休や豊臣秀吉を後ろ盾として、当時の狩野永徳を長とする狩野派に挑み、一介の仏師・絵師でしかなかった長谷川等伯は、全国にその名を届かせるも、最も頼りにしていた久蔵は26歳で亡くなり、千利休も豊臣秀吉も亡くなり、全てを失った失意の長谷川等伯が書いた松林図屛風は、見る者にいろんな思いを感じさせる、まさに「描かずにあらわす」屏風図だと思います。
 松林図屏風は、過去にも京都国立博物館での等伯展などの機会に、足を運んで見た作品ですが、最初見たときは墨と余白だけで奥行きのある靄がかった松をみごとに表現していることに衝撃を受け、さらにそれが、子も含めて全てを失った失意の中で晩年の等伯が書いたとの解説を読んで、等伯の心情が表れているようでより感じるところがありました。
 しかし、残念なことに、私が拝見したときには、これらは、出展されていませんでした。4期に分けて、作品を入れ替えるそうです。

 しかも、今回は、トラりんに会うことができず、ハイタッチもできませんでした。京都国立博物館には、また、足を運んでみたいと思います。
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