東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2017/1/9
「この世界の片隅に」を鑑賞いたしました
 昨年の11月から公開されている、「この世界の片隅に」ですが、公開当初に劇場に足を運んだものの、席の確保ができず、2ヶ月を経過して、ようやく鑑賞いたしました。

 原作のこうの史代さんは、結婚当初、妻を漫画の世界に関心を持たせようと、夫が、最初に私にプレゼントをしてくれた漫画本「夕凪の街 桜の国」の作者です。夫は、このマンガの各コマに、どんな意味があるのか、あれこれと解説をしておりましたが、10年以上経過しても、マンガやアニメの世界に来そうにない妻に、もはや諦めたようです。

 ということで、たまには夫に歩み寄ろうと思い、この映画の各シーンの意味も考えながら鑑賞するようにいたしましたが、私が気づいたのは、叔父さんの家で主人公のすずさんが見た座敷童子は、遊郭に居たリンさんであったこと(叔父さんの家で会ったということは、彼女も広島出身なのでしょうか。家族の被曝が心配です)、最後に、広島から連れて来た戦争孤児は、大きくなって、時限爆弾で右手を失ったすずさんの、文字通り右腕として裁縫をしていたことくらいです。

 日常の何気ない生活と、静かなる意思を持って戦争を乗り越えていく逞しさが描かれ、すがすがしい気持ちになりました。特に何と言っても、すずさんの声優をつとめた、能年玲奈さんはイメージとぴったりでした。
 
 この映画の特徴と言えば、やはり、クラウドファウンディングで資金を調達したことです。最後に、クラウドファウンディングによる支援者のお名前が字幕に出ていて、その中に、法律事務所の名前も見つけました。ネットで見ると、当該弁護士は広島県出身の方のようです。軍港があったために、呉はひときわ激しい空襲を受け、原爆投下の被害も受けた広島県の方は、この映画の主人公のすずさんのように、未来志向で日々を過ごされているのかもしれません。
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