東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2016/11/5
現代の消費者の気持ちと象が踏んでも壊れない商品
 現代の消費行動の変化の1つとして、「自己関与性」を指摘する声があります。三浦展氏の書籍「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」(光文社新書)に、日本の多くのメーカーは、なぜか自己関与ができない物、消費者が自分の手で何かを加えることを許さない、完成した商品そのままで使って欲しいと考え、携帯電話でも、いかにすばらしい機能とすばらしいデザインをつくるかに腐心していたところ、自己関与性の余地を残しているスマホに駆逐されたという記述がありました。
 スマホは、何しろ落とすとすぐに壊れます。壊れる代わりに自分の好きなケースに入れて保護してくれればいいという思想で作られ、自己関与できる余地を残したところが現代の消費者の気持ちにあっていた、日本のメーカーは、象が踏んでも壊れない商品をつくろうとするので、感覚的な楽しさや色のきれいさ、発信音のおもしろさ、持ったときの感触等が軽視されるというご指摘でした。
 
 実は、私は、この記述に違和感を覚えました。というのも、先日、私は今年の9月の連休中に購入したばかりのモバイルパソコンと記録が入ったカバンを、個室トイレ内の荷物置場に置いたところ、ものすごい音を立ててカバンごと落ち、カバンの中のパソコンは、キーボードが1つ欠けていたという経験をしたばかりだったからです。パナソニックのレッツノートは、1mのところから落としても壊れないというのが売りではなかったのかと、欠けたキーボードを見ながら落胆しましたが、パソコン自体は正常に動作しました。さすがです。感動いたしました。

 私には、「象が踏んでも壊れない商品」の方が非常に魅力です。日本のメーカーには、これからもがんばってもらいたいと思います(笑)。
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