東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2016/9/22
別冊宝島「弁護士の格差」
 先日発刊された、別冊宝島の「弁護士の格差」を拝読しました。1990年頃までの司法試験合格者は年間500人程度で、その後も1998年頃までは年間700名程度でしたが、その後の合格者は1000名になり、司法制度改革による新司法試験導入から司法試験合格者は一気に年間2000人を超え、2016年も、約1600人の合格者が生まれました。2016年の弁護士の人数は3万7000人余と、この15年でほぼ倍になりました。

 しかし、日本には、弁護士以外の士業(司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士)も弁護士業務と重なる分野を担っていますので、”弁護士余り”という実態があるのは、事実だと思います。そして、司法試験制度の変化による弁護士としての力量の格差の拡大、不十分ながらも弁護士会の規則改正による広告解禁等による営業能力のある弁護士も活躍できるようになり、それによる弁護士の年収の格差の拡大という環境の変化も見られます。

 別冊宝島には、企業の法務部に勤める企業内弁護士のコメントとして、「法務部には、弁護士資格を有する者が3名と、司法書士資格を有する者が1名おり、法律事務所のパラリーガルであったという社員もいて中規模の弁護士事務所並みの体制を整えていることから、社外の弁護士と顧問契約をしているものの、名前を借りているようなもので、実務はほとんど依頼していない。」とありました。社外の弁護士としては、たいへん寂しい限りです。

 社外の弁護士は、企業内弁護士にはない多様な企業とのお付き合いや訴訟案件を通じた長年のノウハウ(例えば裁判で効果的な証拠の収集方法、裁判になった際の見通しや主張や立証の提出方法の工夫、別件での対応など)の蓄積もあり、情報の交換や共有もできると思います。ぜひ、お気軽にお声をかけていただきたいと思います。
 私も、よりよいリーガルサービスを提供できるよう、努力を続けます。
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