東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

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2016/9/11
シン・ゴジラを鑑賞いたしました
大ヒットしている映画「シン・ゴジラ」は、9月2日から有楽町駅前の日劇でも公開が追加されました。この日劇は、1954年の第1作のゴジラが襲った劇場です。事務所から近いため、私も鑑賞して参りました。

 実におもしろい映画でした。著名人を初め、ネットでもいろんな方が評釈を加えておられます。日本政府における危機管理というテーマはもちろんですが、組織の中で生きる日本人の弱さや強さ、そして「仕事」とは何かを考え、意識させられる映画でした。ゴジラの凍結プランの実行にあたり、自衛隊の幕僚長が「仕事ですから」と語っていた場面も印象的でした。映画で描かれる政治家や官僚の言動は、霞ヶ関官僚の目から見ても違和感のない設定なのだそうです。

 映画の冒頭では、前例にはない事は決断せず、リスクを取ろうとしない閣僚たちが、後半では自らが決断をし、官僚も閣僚を助けます。そして、主人公である、首相を助け官僚を統括する矢口蘭堂副官房長官のもとに、官邸に集められた巨大不明生物特設災害対策本部のメンバー(矢口チーム)が、縦割りなど気にせず、各自の専門的知見や経験、人脈(しかもグローバル)をフル活用して核になり、自衛隊や民間の協力事業者が実行部隊となって、ゴジラの凍結プランを完成させ、実行していきます。この矢口チームのメンバーは、各省庁や研究者の異端児、変わり者、ならず者(しかし骨太)という設定ですが、組織に属する方なら、この設定に我が身を重ねて鑑賞する方は多いと思いました。私もその1人です(笑)。ネット上では、矢口チームの各自が持ってきたパソコンの銘柄がバラバラであったというコメントもありましたが、多様性の重要性を改めて感じました。

 さらに興味深かったのが、ゴジラとの対峙の仕方です。ゴジラを力で抑えて攻撃しようとした米軍の戦闘機は、ゴジラの反撃(熱線)で全滅しました。しかし、矢口チームは、ゴジラを折り鶴のように立体的に描かれた化学反応の連鎖として捉えて、ゴジラを凍結させるプランを完成させました。矢口副官房長官も、「(いつ動き出すか分からない)ゴジラと共存していくしかない」と最後に述べていましたが、ゴジラは必ずしも「悪」として捉える存在なのではなく、人類が成長するには、実は必要な存在なのかもしれないと思いました。映画の中でも、アメリカの高官だったでしょうか、「危機の中で、日本は成長した」と述べていましたが、まさに「リスクは人を成長させる」です。

 劇場公開は9月16日までだそうです。しかも、9月15日は全国一斉で発声可能な上映日のようです。機会があれば、もう一度鑑賞したい映画です。
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