東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2015/11/25
M&Aの成功と失敗
 連休の最終日に、米最大大手のファイザー製薬が19兆円でアイルランドの製薬会社を買収し、本社を税率の低いアイルランドに移転するという報道がありました。ジャイアンのファイザーの大規模な買収に驚きました。

 M&Aは、買手と売手の両方が(株主)価値の増大を見込めると判断されるときに成立するものですが、買収の際には、買手はプレミアムを払うわけですから、高めに買っても利益がでなければ失敗となります。豊富なアドバイザリーボードのご経験のある専門家のお話をうかがうと、成功する案件は、日本企業同士間に限ると、真理は至って単純明快で1分で説明できる案件か、買収の対象会社の経営者の能力が高くて、たまたまうまく経営をしてくれたという案件しかないようです。

 失敗する案件は、株価が割高なケース、当該業界が買収後に不況化したケース、契約書の表明保証・補償条項の不十分なケース、他人任せのケース等が指摘されますが、売手側も将来採算性がなくなるだろうと思って、高い時に特定の事業を売却することもあるという話も耳にします。そうすると、事業を譲り受けた側は、もともと厳しい買い物をしているのかもしれません。
RSSアイコンRSSフィードを購読