東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2015/11/12
お客様相談室の抜き打ちテスト
先日拝読した月刊誌には、大手100社のお客様相談室の抜き打ちテストの結果が掲載されていました。編集部の答えにくい質問に対するお客様相談室の回答内容が一覧表になっているものでした。
例えば、大手3銀行に対しては、「どこの支店にも行員専用の食堂があるのに、銀行の支店に利用者のためのトイレがないのはなぜですか」という質問に対しては、①スペースの都合上設置できず、お客様にご迷惑をおかけして申し訳ないと平身低頭の銀行もあり、②答えられないという回答の銀行もあり、あるいは③高齢の方の場合に行員に声を掛けてくれればご案内することも可能という回答の銀行もあったそうです。本来、防犯上の理由もあるはずですが、かかる理由を指摘した銀行はなかったようです。また、この質問を拝見し、そもそも大手3銀行の各支店に行員専用食堂があることを初めて知りました。
  
 その他の企業に関する質問も、株主総会であれば担当役員が株主からの質問として想定した上でトレーニングを積んでいるであろう事項でしたが、お客様相談室の従業員又は業務委託先の従業員は、「答えられない」、「そのような話は聞いたことない」という趣旨の回答の企業も多く、おそらく質問事項がマニュアルに記載されていないため相応の回答ができなかったであろうと思われました。
  
 そつのない回答をしていた企業は、百貨店だったそうで、日常的にお客様からの要望に応えていることで訓練されていたものと思いますが、ただ、百貨店の共通の課題として、各店舗に直接電話するしかなく、百貨店として共通の窓口がないという点が指摘されていました。

 お客様相談室には、相談員との(長時間、複数回の)会話を“楽しみ”とするかのような方からの電話もあり、相談員は疲弊しているという一面もございますが、消費者と接し、消費者の声を把握するという重要な役割を担っていることから、自社又は業務受託先の商品やサービスに関心を持って対応する(マニュアルだけに縛られない)ことも重要な気がいたしました。
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