東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

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2015/10/17
書評『嫉妬をとめられない人』
 10月の連休中に拝読した「嫉妬をとめられない人」(片田珠美氏著、小学館新書)は、なるほどと共感する箇所が多かったです。
  
嫉妬しやすい人の特徴として、
①自分のことばかり気にする自己中心的な人(いつまでも過去の栄光にとらわれる、相手が自分より弱い立場であれば安心して鷹揚な態度で接するが、優位に立とうとすれば押しつぶし、自分を超えようとすれば攻撃を加え足を引っ張ろうとする、明らかに自分より上にいる人に対してはあっさり従う)、
②人の好き嫌いが激しい人(誰かを必要以上に嫌う場合、その背景にはその相手に対する怯えや恐怖心があって、苦手意識を感じていることが少なくない)、
③自分の非を認めない人(自分はすごい人間だという自己愛的万能感を抱いているのに、現実の姿が惨めなので、その原因を他者に求め、攻撃しようとする)、
④言い訳や不平、不満の多い人(自己イメージだけは高く、イメージどおりではない現実を受け入れられず、正当な努力ができない人ほど、言い訳ばかりし、成功者の足を引っ張ろうとし、責任を人に押し付けようとする)、
⑤自己愛の強い人、という指摘がありました。
  
そして、嫉妬が生じやすい状況は、①自分の立場を脅かしかねない者に嫉妬を抱きやすい、②閉鎖的な人間関係で起こりやすいようです。

他人から嫉妬されないために、著者が勧める方法は、
①弱い自分をさらけ出す
例えば、共感を呼んだAKBのスピーチ
②我を張らず、謙遜する
例えば、永田町の人気者の小泉進次郞氏
③功は人に譲る
例えば、竹下登氏。自分の手柄を人のために回すだけの腹が据わっていれば、政治家の中で存在感が増 し、子分も増え、政治基盤の強化にもつながっていく。竹下登氏は、野党からも慕われていた。
④実績は淡々と示す
⑤正当な努力をし続ける
イチロー選手のように懸命に努力した結果、他の追随を許さないほどの圧倒的な成果を出してしまえば、嫉妬なんかされなくなる。嫉妬したり、嫉妬されたりしているうちは、自分は中途半端なのだと自戒して、さらなる努力を心がけたい。
⑥嫉妬してくる相手をよく分析する
 誰かに嫉妬している人は、不安や恐怖を抱えていて、実は苦しんでいる「かわいそうな人」であることに気づき、今後どうしたらよいか考える。「なんで私だけがこんな理不尽な目に遭うのだろう」と、自分までストレスをためてしまっては、相手の思うつぼである。
⑦嫉妬される場所からなるべく離れる

  逆に、自分が嫉妬する側になったら、著者の勧める方法は、上記の方法と同じで、嫉妬している自分を受け入れ、価値観に縛られず、正当な努力をし、できる努力以外には執着しない、嫉妬する場所から離れる、自分と他人を比較するのをやめて、多様なつながりを持つ等の方法でした。

  会社の規模を問わず、あるいは家族の中でも、人の”嫉妬”はあって当たり前と考え、謙虚に、淡々と正当な努力を続けることが大切であると、改めて痛感いたしました。
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