東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

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2015/10/7
マイナンバー その2
 平成27年10月より、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(「番号法」)が施行され、各社にて、指針や規程の準備、マイナンバーの収集開始の準備に着手されている頃と思います。

 平成27年10月2日に、所得税法施行規則等の改正が行われ、マイナンバーの利用が開始される平成28年1月以降も、給与などの支払いを受ける方に交付する源泉徴収票などの個人番号の記載は行わないこととなりました。この改正までは、年末調整の際に従業員に渡す源泉徴収票にはマイナンバーを記載し、それ以外の場合(住宅ローンの審査用に銀行に提出するため再発行を依頼された場合など)には記載しないとされ、取り扱いがまちまちでした。しかし、源泉徴収票などにマイナンバーを記載することで、その交付の際に個人情報の漏えい又は滅失等の防止のための措置を講ずる必要が生じ、従来よりもコストを要すること、郵便事故等による情報流出のリスクが高まるという声に配慮されて行われて改正され、従業員に交付する源泉徴収票にはマイナンバーを記載しないということで統一されました。もちろん、税務署に提出する源泉徴収票や支払調書にはマイナンバーの記載は必要です。

 給与や退職、年金等の源泉徴収票の他、配当等の支払通知書、特定口座年金取引報告書等について、支払いを受ける方に交付するものはマイナンバーの記載をしないことになりました。以上は、国税庁のホームページに掲載されています。

 巷間では、事業者に対する給与計算ソフトやクラウド等の販売活動が盛んのようですが、このように10月2日になって規則が変更されると、既に販売されているソフトの修正の必要はないのか気になりましたが、ユーザー側でマイナンバーの入力、修正、削除の仕様変更ができるようです。

 なお、番号法に合わせて、個人情報保護法も改正されて、いわゆる5000件要件が撤廃されるなどしています。これまで個人情報保護法上の個人情報取扱事業者でなかった中小企業も、番号法のみならず、個人情報保護法の体制構築も必要となる点に注意が必要です。
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