東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2015/6/27
今年の株主総会
 昨日が、今年の3月期決算の上場会社の株主総会の集中日でした。本日の日経新聞にも、「株主総会 対話の時代」との見出しで記事が掲載されていました。この記事には、「企業価値の拡大をめざす『対話型総会』がいよいよ始まった」との指摘があり、「ROE」、「還元姿勢」、「企業統治」というキーワードも並べられていました。
 私が参加した株主総会でも、今後もこの会社に投資したいと思うかどうかの判断材料とするため、経営陣の話を聞いてみたいと素直に思うような内容の質問が多く、担当取締役や議長のご回答も、株主の質問に端的に答えようと心がけ、現在進行しているプロジェクト案件や今後の経営戦略をご自分の言葉で説明されているお姿が印象的で、拝見していて分かりやすいと思いました。私が弁護士になった頃は、「異議なし!」「議事進行!」と株主が声高に叫んで、すみやかに議事進行をさせるような株主総会が多く、現在のように事業報告をスライドで行う等の工夫はなく、カラーや顔写真の掲載された招集通知も少なくて、株主総会を企業価値を高めるためのアピールの場とするという意識は十分ではなかった印象です。現在では、「異議なし!」という声など全く聞こえません。隔世の感があります。

 株主総会も毎年深化していますので、毎年の株主総会のご準備のご努力を続けておられる従業員の方には、頭の下がる思いです。リハーサル等でのご熱心なお姿を拝見しております。

 また、ここ数年、株主総会で騒いできた特殊株主H氏も、6月22日に逮捕され、集中日は穏やかに迎えられた会社が多かったのではないかと思います。ただ、H氏の登場により、会社は、議長不信任動議の対応や退場までの訓練をせざるを得ず、株主総会の運営面で、課題を見つけることができた面はあったように思います。
   
 来年も、今年以上に株主の真摯な質問に経営陣が答える対話型株主総会へと深化することになると思われます。次の株主総会の出席が楽しみです!
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