東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2015/2/28
社外取締役について考えること
 最近、コーポレートガバナンスを巡る諸法の改正が行われていることは周知のとおりです。本年5月からの改正会社法の施行や本年6月からのコーポレートガバナンス・コードの適用が予定され、東京証券取引所からもコーポレートガバナンス・コードの策定に伴う上場制度の整備の概要も発表されました。独立社外取締役は2名以上選任するべきとされ、株主の関心も高まっています。
 
 先日、2月の株主総会を拝見しました。当該会社は、社外取締役2名、生え抜きの取締役が10名程度でしたが、取締役選任議案に関する質問として、株主からなぜ社外取締役は2名なのかという趣旨の質問がなされました。
 議長や担当取締役からは、経営の監督と執行を分けて社外取締役を過半数にするようなガバナンス体制は当該会社の風土には合わず、モチベーションの維持等も斟酌し、当該会社は生え抜きの取締役10名程度、社外取締役2名が適正であるという趣旨の明確な説明がなされ、私はなるほどと納得しました。

 独立社外取締役は、単に設置すればよいというものではありません。社外取締役が取締役会の過半数を占める委員会設置会社の業績が必ずしも良好であるとは限らないという指摘はよく耳にするところです。
 そして、コーポレートガバナンス・コードが指摘する、取締役会における率直・活発で建設的な検討への貢献が期待できる人物の属性も重要で、それは、会社によって違います。会社の方の話から判断すると、現実的には、社外取締役の属人的な要素も強く働くように思います。社外取締役も、常に勉強しなければなりません。
 2014年11月15日のブログにもお書きしましたが、弁護士が社外取締役になる場合には、顧問弁護士としての視点とは全く違う上、経営の専門家ではないので、視野を広く持つ意識を常に持っていないと、会社やステークホルダーが期待するような働きは難しいと思います。顧問弁護士としても、広い視野は持っているべきであるのは言うまでもありません。日々鍛錬あるのみです!
RSSアイコンRSSフィードを購読