東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2015/1/21
事務所に新しい弁護士が加わりました!
2015年1月21日より、事務所に新しい弁護士が加わりました。昨年12月に司法研修所を卒業したばかりの28歳の新進気鋭の弁護士で、秋田の角館の出身です。東北大学法学部・法科大学院で勉強をされました。現在、弁護士会の登録手続中で、2月9日に登録完了予定です。
事務所入所にあたり、私が彼に話をしたのは、以下のとおりです。
1 小手先で仕事を処理しようと思わないこと。必ず、法律の条文、基本書、最高裁判例等を調べ、趣旨や要件等の基本を抑えること。
2 少なくとも最初の2年間は、ひたむきに努力をすること。私の20年近い弁護士経験を振り返ると、無駄な体験は1つもなく、全て自分の成長に必要な経験、体験であったと痛感していること。
3 自分を殺して誰かに合わせるのではなく、事務所の各メンバーが自分を活かして力を発揮して仕事をし、成果を生み出すことが、本来の”和”であると思っていること。

 私も、弁護士になったばかりの頃は、法律の条文すら分からず、まずは調べるべき法律の条文を探し当て、それから基本書を調べて趣旨を理解し、下級審裁判例はもちろん、最高裁判所判決がないかどうかを調べ、要件や規範を理解してから、当該事案についてのあてはめ(事実認定)を考えるという作業を何度も繰り返していました。
こうした作業の繰り返しは、時間がかかります。私は、弁護士登録から数年間は、私のかかる仕事処理スタイルを見た先輩弁護士から「器用じゃない」と言われ続けていました。今は、インターネットが発達していますから、ネットで調べれば、すぐに答えが分かるでしょう。
 しかし、基本書や裁判所判例(特に最高裁判所判例とその解説)を調べることで、付随する論点にも気づき、自分の中でリーガルマインドが構築されていきます。そして、必ず、”仕事の質が転換する”時が来ます。質の転換のためには一定の量をこなすことが必要で、そのための期間として少なくとも2年は必要であると思います。事務所の統合により業務の幅が格段に広くなった影響もあって、私の場合、質が劇的に変化したことに気づいたのは、2年どころか、弁護士登録5年を過ぎた頃でした。作成する書面の論理の運び方や事案の見方(事実認定)が以前と違ってきたことは、自分でも分かりました。
それまでは、事件ごとの経験や体験は”点”でしかなかったものが、”線”となり、”面”となり、最終的には”立体”を作っていくというイメージです。

「ネットで調べただけでは、表面的に分かった気になるだけ。思考は深まらない」と、仕事を始める前の最初に、彼には注意をしました。しんどくても、自分の頭で考えなければなりません。

 また、最近は、一丸となって同質の仕事を行う労働形態は工業社会には適していたが、ポスト工業社会の現代では、そのような働き方では創造性のある仕事はできないという指摘があります。
 メンバーが、自分の頭で考えてそれぞれの力を発揮し、創造性のある成果を産み出していくことができるよう、これからも事務所の皆で努力を続けたいと思います。どうぞ、新人弁護士をよろしくお願いいたします。
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