東京21法律事務所所属

弁護士 広津 佳子  Lawyer Keiko Hirotsu Official Site

ブログ
2021/12/30
本年もお世話になり、ありがとうございました。
 2019年秋に受講をした、弁護士会の裁判手続のIT化に関する説明会のレジュメを見ながら、このブログを書いております。2年前には、オンラインによる裁判期日はどのように行われるのか、弁護士は戦々恐々としておりましたが、今では、首都圏の裁判所にて、Teamsを使った、書面による準備手続が定着し、和解の話も、Teamsで実施しています。
 最近は、裁判所からは、「最近は、代理人弁護士が裁判所に来てくれない」という嘆きを聞くこごもございます。

 現在、裁判手続のIT化に向けて審理が続けられ、弁護士会にて、今年の夏と秋に司法のIT化に関するシンポジウムが開催されました。今は、IT化の第1フェーズの段階ですが、e提出、e法廷(但し、口頭弁論期日や弁論準備期日などが対象で、尋問は除外されると思います)、e事件管理など、2025年度中に、実施が予定されているようです。

 私は、今年も外出する機会が少なく、現在のコロナの感染状況からすれば、来年も、オンラインを使ったミーティングが多くなりそうですが、他方で、ビジネス環境の変化の大きさ、早さも感じております。

 皆様のご多幸を祈念しております。
2020/12/31
本年もお世話になり、ありがとうございました。
 本年は、多事多難の年でしたが、変化の年でもあったと思います。来年は、さらに環境の変化に対応をしていきたいと思います。
 皆様のご多幸を祈念しております。
2020/8/10
「さぼる勇気」
 「さぼる勇気」とは、奇数月に発行される、有斐閣の書斎の窓2020年7月号の東京大学名誉教授の中山信弘先生のエッセイのタイトルです。
 このエッセイによると、中山先生は、中学生のときに急性腎炎を患い、35歳(昭和55年)の時に腎不全で尿毒症となって人工透析を開始され、以後、週3回の人工透析を受けられ、途中、合併症や癌などに罹患し、途中3回もご葬儀の写真を交換しながらも、現在の75歳になっても、お元気でおられるという、素晴らしい先生です。そして、入院して透析を開始して3か月経過し、大学の勤務に復帰された際に、東大の商法の竹内先生から、「さぼる勇気を持ちなさい」と言われたとのことでした。竹内先生も、結核病のため、肺を切除されておられ、当時は、「結核にあらずんば学者にあらず」と言われた時代であったそうです。中山先生は、竹内先生に言われるまでは、「盡人事而待天命」を座右の銘にして、がむしゃらにがんばってきたそうです。それ以後は、「さぼる勇気を持つ」を座右の銘に加えたものの、「さぼれ」と言われても、どこまでさぼってよいか分からず、中山先生は、「選択と集中」という意味ではないか、学問以外の仕事を断れという意味ではないかと考えたそうです。しかし、東大の先生方は、政府の審議会の委員など、学外のお仕事も多く、特に、中山先生のご専門の知的財産権法の分野は、当時は、学者が極端に少ない上、頻繁に法改正が行われ、「余人をもって替え難い」という官僚からの殺し文句もあり、「選択と集中」ができなかったと反省をされておられました。東大の星野先生も、入院中、中山先生のお見舞いに来てくださったが、枕元に積んであった法律の本を見つけて、星野先生から、「こんな本は、即刻家に戻しなさい」とお叱りを受けたとも書いてありました。

 自分が大学時代にご指導を受けた民法と商法のゼミの先生方を拝見していても思いましたが、体力面でハンディーがあっても、中山先生を始め、中山先生のエッセイに出てくる著名な諸先生方の真摯で謙虚なお人柄に、心を打たれました。自らの法律分野の研究を積み重ねることで、社会に貢献するという強い意思と高い倫理観をお持ちと思いました。

  私の場合、経年とコロナ禍の運動不足のため、腹囲の大幅増(+体重増)という先日の健康診断の結果に慌て、運動だけは「さぼってはいけない」と、選択と集中の重要性を痛感した次第です。
 皆様のご健康を祈念しております。
2020/3/1
映画 「フォード&フェラーリー」を拝見いたしました
 新型肺炎の感染拡大の影響で、日曜日の銀座は閑散としているかと思いましたが、本日3月1日の銀座の歩行者天国には、結構な人がおられ、映画館にも、そこそこ人が入っていました。私は、本日、日本で公開されて1か月以上経過した「フォード&フェラーリー」を拝見しましたが、実に面白い映画でした。

 私は、カーレースのことは全く分かりません。しかし、フォードが、ル・マンを制覇していたフェラーリーを打ち負かすために依頼をした、元カーレーサーでル・マンの24時間耐久レースを制覇したこともあるカー・デザイナーとカー・デザイナーから依頼をされた才能は高いが協調性のない天才ドライバーの2人が、フォードという企業の組織の論理に翻弄された様子に加え、創業者の祖父から引き継いだフォードの2代目CEOの言動も、見ていて興味深いものでした。
 天才ドライバーは、フォードのマスダンクの発表会でも、開発責任者にひどい車だと面と向かって言ってしまう程、協調性に欠けた人物として描かれていました。

 2人は、フォードからル・マン制覇を依頼されたはずなのに、フォードには別のル・マンチームが作られ、別のチームのほうがアサインされた人材も豊富で、燃料や部品の交換の作業もスピーディーです。最後は、自分を信じるしかない状況下でのレースでした。
 
 まさに、天才カーレーサーは、自分が改良に改良を重ねて開発した自動車と対話をしながら、アクセルを踏んで速度を上げて走行し、フェラーリーも追い抜かれまいと速度を上げた瞬間に、フェラーリーは故障し、リタイアします。私は、“自分を信じ切った結果”の勝利と理解いたしました。

 しかし、この天才カーレーサーは、ル・マンで優勝することができませんでした。ル・マンの1位、2位、3位は、フォードが独占することが確定した瞬間、フォードという企業の論理は、今後の販売戦略に利用するべく、この3台が同時にフィニッシュすることを求めます。天才カーレーサーは、最初はその指示に従わず、自分のレコードを次々に更新していきますが、自分の前後には、もはや自動車が全く見えず、自分の思った走りができていることに感謝をし、涙を流して「HAPPY」と言った後に、フォードの指示に従って、速度を緩める場面は、とても印象でした。
 そして、最後は、同着であっても、後方からスタートをしたフォードの別チームのほうが1位となったわけです。
 
 職人や天才たちの思いは、必ずしも、競争という現実社会では「勝利」に結び付くわけではないのが現実ではありますが、最後まで自分を信じ切った者の幸せも感じた映画でした。
 そして、デイトナとル・マンのレースのシーンは、非常に迫力があり、私もドキドキしながら見ていました。公開直後、アメリカで評価が高かったのも、うなづける映画でした。
2019/12/31
本年もお世話になり、ありがとうございました。
3か月ぶりのブログです。
今年の10月19日(土)は、京都の建勲神社の船岡大祭に参加いたしました。
建勲神社は、織田信長公を御祭神とし、毎年、信長公が上洛をした10月19日に大祭を行っています。
毎年、鉄砲隊の火縄銃の実演が見物で、すばらしい迫力でした。
お祭りの様子は、NHK京都の夜のニュースで放映され、我々夫婦の姿も映っておりました。

年末には、12月20日公開の「スターウォーズ」と「アナと雪の女王2」を拝見しましたが、フォースと魔法という、時間と空間を超える世界を垣間見ました。
スターウォーズの主人公レイが最初に行った惑星では、42年に1度のお祭りの最中でしたが、ネット情報によると、スターウォーズが最初に公開されたのは42年前なのだそうです。
42年前には、世界の多くの人がスマホを持ち歩いてインターネットでつながることができること誰が予想することができたでしょうか。

11月に参加したセミナーで、AI技術は、人間の機能を拡張する方向で研究と開発が進み、2030年には空間を超えることができることを知りました。そして、時間も超えて、過去の偉人のデータを分析し、映像に顕れた過去の偉人と会話をすることができるようになるそうです。単一の基準により選別された情報が社会を分断していたこれまでの時代から、2045年頃には、時間と空間を超えた多様な価値観を背景にした体験化社会に移行するようです。
顔その他の生体認証技術で、犯罪や不正行為はすぐにバレてメリットがないため、2030年頃になると、おそらく、犯罪者も不正行為もなくなると思っています。
この2本の映画を見て、私は、そんな将来の姿を感じました。

他方で、本日ゴーン氏が日本を出国してしまったというニュースが流れていました。
出入国時には顔認証システムが使われていても、協力者(警備会社)もいて荷物(楽器箱)に隠れて出国したとすれば、チェック体制が不十分であったことは否めません。来年は東京オリンピックも控えていますので、まだまだ当面の課題は山積です。

2030年以降は、今とは全く違う時代がやってくることを念頭に、来年は、さらに努力を続けたいと思います。
皆さま、どうぞ、よいお年をお迎えください。
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